ひじおか眼科BLOG

上田先生がまたまた論文を発表しました!!

 当院の木曜午後に小児眼科担当として九大眼科より上田瑛美先生が来てくれていますが、彼女は近視に関して研究を行っています。

昨年7月に海外の権威ある眼科雑誌に論文を発表したことをご紹介しましたが、今回さらに新たな論文を発表しました!!!

 

以下彼女の論文要旨です。

 

 近視性黄斑症は、近視の重篤な合併症のひとつであり、我が国の失明原因の上位を占める疾患です。さらに、近年世界規模での近視人口の増加により、近視性黄斑症の患者数が増加傾向にあることが公衆衛生上重要な問題となっています。

 今回は久山町研究の追跡調査の成績を用いたもので、近視性黄斑症の5年発症率は1.1%であり、他のアジア圏の既存報告(0.08%~0.12%)と比べ、顕著に高率であることがわかりました。また、近視性黄斑症の発症には加齢と眼球が前後方向に伸長する眼球形態変化がそれぞれ独立して影響することを明らかにしました。

 この研究成果は、近視性黄斑症発症の実態把握と失明予防策を講じる上で有益な情報です。

 

 近視は成長に伴ってある程度は進行することが多いですが、それが強度近視になると眼軸長(角膜から目の奥までの長さ)が伸長することにより将来的に網膜剥離や緑内障のリスクが高まり、さらには稀ではありますが極端な強度近視(病的近視)にまで至ると眼底黄斑部の網膜・脈絡膜が萎縮して(近視性黄斑症)極端な視力低下に繋がることがあります。

 

 近視についてご質問があれば是非上田先生に聞いてみて下さい。

2020年08月25日