小児眼科

小児眼科外来のお知らせ

当院では小児眼科専門医による診療・治療を行っています。
毎週木曜日 14:00〜17:00(最終受付16:30まで)
毎月第3土曜日 9:00〜12:00(最終受付11:30まで)
2017年3月1日より、診療時間が変更になりました。

小児の屈折異常

私たちが見ようとするものは、角膜、水晶体で屈折し網膜に像を結びます。
小児の屈折異常は弱視の原因となることがあるため、屈折検査はとても重要です。
子供は生まれたばかりの赤ちゃんの時には明るさがわかる程度ですが、成長にともなっていろいろなものを見る(視覚刺激)で視力は発達していきます。この時期に適切に視覚刺激がないと視力は発達しません。そこで“屈折”が重要になってくる訳です。
屈折が問題ない場合を「正視」と言い、屈折異常には「近視」「遠視」「乱視」があります。
小児の屈折異常

近視

近視とは、網膜の手前で像を結んでしまう状態です。遠くのものはぼやけて見えますが、近くのものははっきりと見ることが出来ます。近くのものははっきり見える(視覚刺激はある)ため、通常近視で弱視になることはありません。
軽い近視のうちは眼鏡がなくても問題はありませんが、成長に伴って近視が進んだ場合には眼鏡による矯正を行います(年齢に応じてコンタクトレンズの使用も可能です)。眼鏡が必要かどうかの目安としては、学校で黒板の字が最前列の席にしてもらってもぼやけるようであれば作った方がよいでしょう。
近視は成長に伴ってある程度進行することが多く、近視の進行を抑える確実な方法はありません。ただテレビの見過ぎ、ゲームのし過ぎ、あるいは読書のし過ぎ等は近視がより進む原因にはなりますので、過度にし過ぎない方がよいとは言えます。

遠視

遠視とは、近視の逆で網膜よりも後ろで像を結んでしまう状態です。近くのものも遠くのものもぼやけて見えます。子供は調節力が強い(ピントを合わせる能力が強い)ため、軽い遠視の場合には問題ありません。しかしある程度以上に遠視が強くなると、どこにもピントが合わない(視覚刺激がない)状態になるため、放っておくと弱視になってしまいます。
遠視による弱視の可能性がある場合には遠視の眼鏡を作成し、それをかけることで視覚を刺激し、視力の発達を促す、という治療を行います。

乱視

乱視とは、近視や遠視とは異なり、角膜の形状がきれいな球形ではなく、いびつな形状をしているために起こります。軽い乱視の場合には問題になることは少ないですが、強い乱視の場合には遠視同様に弱視になることがあるため、メガネによる治療が必要です。
以上に挙げたような屈折異常が疑われた場合には、正確な屈折度数を測るために特殊な点眼薬を用いて調節力を麻痺させた上で検査を行い、その結果必要に応じて眼鏡の処方を行います。

弱視

弱視とは、眼鏡等で屈折異常を矯正しても十分に視力が出ない状態です(つまり、近視などでいくら裸眼視力が悪くても、眼鏡等での矯正で視力がちゃんと出る場合は弱視ではありません)。弱視には原因によりいくつかの種類があり、治療法が異なります。

弱視の種類と治療

屈折性弱視

両眼とも遠視や乱視が強いために、両眼とも十分に視力が発達していない状態です。調節力麻痺の点眼後に正確な屈折検査を行い、その上で屈折度数の合った眼鏡を処方します。その眼鏡を常にかけることで視覚刺激を与え、視力の発達を促します。

不同視弱視

片方の目だけが遠視や乱視が強いために、その目の方の視力だけ十分に発達していない状態です。こちらも調節力麻痺の点眼後に正確な屈折検査を行い、屈折度数の合った眼鏡を処方するのは同様ですが、さらに視力のよい方の目を隠す(アイパッチ)ことで、弱視になっている目に視覚刺激を与え、視力の発達を促します。

形態覚遮断弱視

生まれつきまぶたが下がっている(先天性眼瞼下垂)や水晶体の濁り(先天性白内障)、その他角膜の濁り等の影響により、眼底の網膜まで十分に光が届かないために視力が十分に発達していない状態です。 まず原因となっているものの治療(手術)を行い、引き続き遠視や乱視が強いようであれば眼鏡を処方して視覚刺激を与え、視力の発達を促します。

斜視

斜視とは、片目は正面を向いていても、もう片方の目が違う方向を向いている状態です。斜視は向いている方向によりいくつか種類があります。
片方が正面を向いているときに、もう片方の目が内側に向いている状態を内斜視、逆に外側を向いている場合を外斜視と言います。その他上斜視、下斜視があります。また、常に斜視が存在する場合(恒常性斜視)と、時々斜視になる場合(間歇性斜視)があります。
斜視
斜視の原因としては、ほとんどの場合目の筋肉・神経の異常か遠視ですが、それ以外に目の病気や脳内の病気等が原因となることもあります。

斜視の治療

斜視により弱視になっている場合には、治療の第一は視力を向上させることです。これには調節力麻痺の点眼後に正確な屈折検査を行い、屈折度数の合った眼鏡を処方します。さらに視力のよい方の目を隠す(アイパッチ)ことで、弱視になっている目に視覚刺激を与え、視力の発達を促します。両眼で見えるようにプリズム眼鏡を処方することもあります。
次に、上記眼鏡の治療で斜視が治らない場合には将来的には斜視を治す手術が必要なことがあります。
ただし、目の向きが治っても両眼視(両眼でものを立体的に見る能力)が出来るようになるには弱視に対する訓練を行う必要がありますが、それでも両眼視に獲得が困難なこともあります。

最後に

人間の視機能は適切な視覚刺激があって初めて発達します。視覚が発達するための感受性はおよそ8歳くらいまでに消失すると考えられています。このため弱視は適切な時期に治療を始めることが重要です。遠視や乱視による弱視の場合は、近視と違って原則常に眼鏡をかけることが必要です。そうしないと視力は発達しません。治療時期を逃さないようにすることがとても大事です。乳幼児検診や学校検診で眼科受診を指示されたら必ず受診しましょう。
また、ご両親はお子さんのことを誰よりも一番よく見ています。健診以外にも気になることがあれば早めに眼科受診することをおすすめします。