ひじおか眼科では日帰りで最新の機器と最新の技術を用いた形成外科専門医による眼瞼下垂手術を行っています。
眼瞼下垂とは
読んで字のごとく瞼が下がってしまいモノが見づらくなる病気です。加齢とともに多くの方が自覚される病気ですが、その多くは腱膜性眼瞼下垂と言って瞼の筋肉が緩むことによって生じます。コンタクトレンズの長期装用などにより早期に発症することもあり、頭痛や肩こりの原因にもなります。腱膜性眼瞼下垂以外に、先天性、眼瞼皮膚弛緩症(瞼の皮膚がたるみ)、眼瞼痙攣、動眼神経麻痺、ホルネル症候群、重症筋無力症、など様々な要因で眼瞼下垂は生じるため正確な診断の下に治療を行う必要があります。
眼瞼下垂の症状
眼瞼下垂の初期症状としては瞼が重い、眉毛が挙がっている、額の皺が深くなる、二重の幅が広くなる、瞼の上が窪んでくるなどがあります。下垂が進行すると視野が狭くなり顎を上げないと視野が保てなくなるといった症状が生じます。また、頭痛や肩こりなどの原因となっていることも多く、現在では発症早期の治療をお勧めすることが多いです。
眼瞼下垂の治療
当院では眼科専門医と形成外科専門医の正確な診断の下、機能面での改善(見やすくなる)のみならず、整容面での改善(見た目も美しくなる)にも留意した手術を行っています。
腱膜性眼瞼下垂症
局所麻酔下に瞼を切開し、緩んでしまった挙筋腱膜を瞼に固定することで改善が可能です。眼瞼皮膚弛緩症を合併していることも多く、皺取り手術に準じた方法で余剰皮膚の切除も行います。
手術時間は片眼で30分~1時間、両眼で1時間~1時間半程度です。
先天性眼瞼下垂症
生まれつき軽度の眼瞼下垂があっても日常生活に支障がなく放置されている方は多いですが、加齢性の眼瞼下垂が合併することで症状が悪化します。この場合は生まれつき眼瞼挙筋の力が弱いため上記のような挙筋腱膜の固定では十分な改善を得ることが難しく、大腿筋膜などの移植が必要になります。これも局所麻酔下に日帰りで手術が可能です。
手術時間は片眼で1時間半、両眼で2時間半程度です。
眼瞼下垂の手術
眼瞼下垂の90%以上は腱膜性眼瞼下垂症であり下記のような手術を日帰りで行っています。
局所麻酔下に瞼を切開し、緩んでしまった挙筋腱膜を瞼に固定します。眼瞼皮膚弛緩症を合併していることも多く、皺取り手術に準じた方法で余剰皮膚の切除も行います。
手術時間は片眼で30分~1時間程度、両眼で1時間~1時間半程度です。
1.目の周りを消毒して切開線のデザインをし、局所麻酔の注射をします。
2.患者さまの瞼の状態に応じて、余分な皮膚、脂肪、筋肉を切除します。
3.挙筋腱膜(瞼を挙げる筋肉)を同定し、これを瞼板という瞼の軟骨に縫合固定します。
4.一度起き上がって頂き、坐位にて十分瞼が挙がっているか、瞼を閉じることができるかどうか、左右差はないか、などを確認し、適宜縫合固定のやり直しを行います。
5.左右差なく、十分な改善が得られたことを確認し、二重のラインを作成しながら皮膚縫合を行います。
眼瞼下垂の日帰り手術の流れ
手術日までの流れ
Step1 手術決定
眼科専門医の診察により手術適応と判断したら手術日を決定します。
Step2 手術説明
大まかな手術内容は書面でお渡ししますが、病態が複雑な場合などは手術当日に形成外科専門医より個々の患者さまの瞼の状態に応じた細かい術式を説明します。
Step3 術前検査
術前検査として、屈折検査、視力検査、眼底検査、角膜内皮細胞検査、などの眼科的検査の他、全身的に問題がないか血液検査や心電図の検査も行います。
Step4 術前内服薬の確認
抗血栓薬(血液がサラサラになる薬)を内服している場合、かかりつけの内科の先生に確認の上で可能であれば術前に休薬していただきます。内服薬の種類によって休薬期間が異なるためスタッフにご確認ください。休薬しなくても手術は可能ですが、出血のリスクが高くなるため、入院加療ができる病院を紹介させていただくことが多いです。
手術当日の流れ
Step1 手術前
手術当日は手術時間の15分前までにお越しください。目回りだけでなく、顔面全体が術野になるためノーメイクでお願いします。術後は腫れますので、自動車やバイクをご自身で運転しての来院はお控えください。
Step2 手術
手術は心電図や血圧計を装着し、消毒をして開始です。元々の瞼の状態によって手術時間は異なりますが、片眼で30分~1時間程度です。
Step3 手術後
手術後は腫れを予防するためによく冷却をします。ガーゼや眼帯などをつけると目が見えなくなってしまうため、敢えて創部を保護せずに帰っていただきます。少量の出血などはありますが、ガーゼやティッシュなどで押さえておけば止まりますのでご安心ください。術後の腫れは術翌日の朝がピークとなるため、翌朝起きてビックリするかもしれませんが、1~2週間で腫れも落ち着くので眼鏡などをかけて腫れを隠すようにしてお過ごしください。
手術後の診察
術後約1週間で抜糸となりますので、通常は1週間後にご来院いただきます。瞼は血流も豊富で感染を起こすことはめったにないですが、術後2~3日して発熱や瞼の腫れの悪化などが見られた場合は早めにご来院ください。
手術費用について
健康保険の負担割合により異なります。目安に関しては以下の通りですが、患者さまにより異なりますので詳しくはスタッフにお尋ねください。
自己負担割合 |
医療費 |
1割負担 |
片眼約8,000円程度 |
3割負担 |
片眼約24,000円程度 |
高額医療制度について
※70歳以上の方はひと月の医療費上限額が設定されています。また、70歳未満でも高額療養費の制度があります。ご不明な点は直接お尋ねください。
自己負担割合 |
医療費上限金額 |
1割、2割負担 |
両眼でも18,000円以上はかかりません。
(住民税非課税者は 8,000円以上はかかりません。)
|
3割負担 |
年収により費用が変わりますので、
詳しくはお問合せください。 |
なお、医療保険にご加入の方はその契約内容により給付金を受け取れることがあります。ご自身の契約内容をお確かめください。
眼瞼下垂症の手術に関するQ&A
- 手術は痛くないですか?
- 局所麻酔の注射の痛みはありますが、極細の注射針で行い最小限の痛みとなるよう留意しています。手術中に痛みがある場合は適宜麻酔薬を追加すれば大丈夫なのでご安心下さい。術後、麻酔が切れると少々痛みが出ますが、痛み止めを飲めば気にならない程度です。
- 手術後は腫れますか?
- 個人差はありますが、術後1〜2週間は腫れるので人前に出るのはなるべく避けて、眼鏡などで腫れを隠すことが多いです。術後2週間もすると客観的に腫れている印象はなくなりますが、実際にはごく軽度の腫れが残っており、二重の幅を広く感じたりすることはあります。術後1〜2か月でわずかな腫れも落ち着き、傷跡も目立たなくなっていきますのでご辛抱ください。
- 手術後、数年で元に戻ってしまうことがありますか?
- 通常の腱膜性眼瞼下垂であれば、挙筋腱膜をしっかり固定しておけば10年以上は大丈夫なことが多いです。また、将来的に再手術をする必要が生じても、比較的再手術が容易な術式で行っております。
- 過去に手術をしたことがあっても大丈夫ですか?
- 再手術の方が難易度が高くなりますが、過去に手術したけど十分な改善が得られなかった患者さまに対する手術も数多く経験しております。眼瞼下垂症に対する手術方法は術者によって異なるため、術式次第で改善させることが可能なことも多いです。